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第9章 絡まるストッキング3　　　　　　大原本部長と佐々木ゆかり部長

　41　始動

「おはようございます…」
　その時『仮、準備室』である会議室のドアが開いた。
　新たなメンバーが一人出勤してきたのだ。

「じゃあ、俺は外にいますから…」
　
「うん…」

　俺は会議室を出て、コールセンター部の入り口辺りに立った。

　美冴さんにいきなり会っちゃったよ…
　予想外の展開に少しドキドキしていた。

　どうやら俺は本気で彼女のことを惚れてしまったみたいだ…
　この久しぶりのドキドキ感が、その想いを物語っていたのだ。

　これからは落ち着いていかねば…

　今日から新しい、大切な仕事が始まるのである、まずはこんな事で浮き足立っている場合ではないのである。

　ゆかり新部長の為にも…

　自分の将来のステップアップの為にも…

　あと、美冴さんの為にもだ…
　
　これから頑張っていかねばならないのだ。


　そして８時になる辺りから、新メンバーが続々と出勤してきた。

　いよいよ今日から
『新規事業プロジェクト』
　の開始、始動の日が始まるのである。



「おはよう健太、ありがとうね」
　８時15分を過ぎた辺りにゆかり部長が出勤をしてきた。

「ゆかり部長、おはようございます」
　その時点で既に、事前に内々示を受けていたメンバーが皆、出勤してきた事を説明する。

「そう、じゃあ、とりあえず始めようか」
「はい…」
　リストアップした25名中、内々示を受けていた約８割の20名が出勤していた。

「皆さんおはようございます…
『新規事業プロジェクト準備室』
室長の佐々木ゆかりです…」
　
　そしてゆかり部長がそう挨拶をし、この新規事業の計画内容の概要の説明を始める…