この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第6章 第二話 【めざめ】 再会
「幸さま、生きてらしたの?」
弥生は信じられないような面持ちで幸を見ていた。それも当然のことだ。幸は今年の二月下旬に起こった悲惨なあの難破事故で亡くなったのだと誰もが信じているのだ。
「実は数日前にも、この近くで幸さまによく似た方を見たのよ。私、向かい側から歩いてきていて、声をかけようとしたのだけれど、すれ違いざまに馬車が通り過ぎて―、馬車が走っていった後には、もう幸さまはいなくなっていたわ。でも、やっぱり、他人のそら似なんかじゃない、幸さまだったのね」
弥生は信じられないような面持ちで幸を見ていた。それも当然のことだ。幸は今年の二月下旬に起こった悲惨なあの難破事故で亡くなったのだと誰もが信じているのだ。
「実は数日前にも、この近くで幸さまによく似た方を見たのよ。私、向かい側から歩いてきていて、声をかけようとしたのだけれど、すれ違いざまに馬車が通り過ぎて―、馬車が走っていった後には、もう幸さまはいなくなっていたわ。でも、やっぱり、他人のそら似なんかじゃない、幸さまだったのね」