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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第6章 第二話 【めざめ】 再会
浩三とめぐり逢った今だから、幸は判る。亮平は幸の運命を一瞬にして変えた、嵐の海に似ている。彼の幸への愛情に偽りはないが、彼の愛はあまりにも激しすぎる。亮平は、いつも思いつめたような眼差しで幸を見ていた。その眼に見つめられるたびに、幸は胸の高鳴りを感じるだけでなく、怯えた。いつしか、見つめられることでときめくより、怖いと思うようになってしまった。亮平といると訳もなく怖いと思ってしまったのは、恐らく初めて男を受け容れることだけに対してのものではなかったのだろう。