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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第8章 第三話【波の音】 予感 
「まさか―」
 幸は顔色を変えた。
「止めて、子どもは関係ないわ」
 幸は蒼ざめた顔で亮平を見つめた。幸の記憶にある限り、亮平は良くも悪くも海の男らしい男だった。海に生きる男は真っすぐで嘘をつかない。太陽の下で屈託なく笑うその様こそが相応しい。だが、今の亮平はどうだろう、暗い絶望と孤独にがっちりと囚われてしまっている。
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