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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦 
「さようなら。気をつけてね」
 幸も一人一人に笑顔で手を振った。最後の一人が教室を出てゆこうとして振り返った。
 今年入学してきたばかりの一年生の女の子だ。
「先生、明日は何のお歌を教えてくれるの」
「そうねえ、トミちゃんは、どんな歌が良い 」
 幸が訊ねると、トミは可愛らしい表情で小首を傾げた。
「海の唄が良いな」
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