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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦 
「随分、探したよ。でも、元気そうで良かった」
 浩三は言いながら、狭い教室を一瞥した。後ろの壁には子どもたちの絵が並び、新入生を迎えるために黒板に貼った桜の切り抜きは幸が自ら手作りしたものだ。
 狭い室内に等間隔で並んだ机と椅子には子どもたちの姿はないが、そのことが存在感をかえって主張しているようにも見えた。
「自分の脚でしっかりと歩いているんだね、幸は」
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