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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第2章 第一話【空の記憶】~運命の嵐~
その時、突如として、どこかでドドーンという轟音がとどろいた。その音がどの辺りから聞こえたのかは判らないけれど、同じ船の内部であることは明らかに違いなかった。途端に、乗客たちの間にひそやかなざわめきがひろがり、皆の顔に強い怯えの色が走る。
「一体、どうなってるんだ? この船は沈むんじゃないだろうな?」
洋装の中年の紳士が苛立ちを隠せない様子で怒鳴る。その声を合図とするかのように皆が口々に騒ぎ始めた。