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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第14章 番外編第二話「潮騒の詩」 海辺の恋
今日は月に一度の休漁日だ。この北国の小さな海辺の村ではその日一日は漁を休み、海の神に供物を捧げ、感謝を表すという風習がある。村人たちはその日を「海神(わだつみ)の日」と呼び、はるか昔から特別な行事として大切に守り伝えてきた。
その日がどんな好天に恵まれても、この村の漁師は絶対に海に出ない。朝、家族揃って浜辺に赴き、酒と米を海に撒き、海神への感謝と共にこれからの大漁と漁の間の航海の安全を願うのだ。
その日がどんな好天に恵まれても、この村の漁師は絶対に海に出ない。朝、家族揃って浜辺に赴き、酒と米を海に撒き、海神への感謝と共にこれからの大漁と漁の間の航海の安全を願うのだ。