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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第20章 番外編第三話【秘恋~背徳の恋~】 濁世の花
光円が笑顔で言うと、男は真顔で頷いた。
「私は旅の絵師にて、諸国を浪々としております。体裁を繕えば、まあ、画道修業とでも申せましょうが、内実は行く先々で稚拙な絵を描かせて貰っては小銭を稼いでいるといった情けない次第なのです。ここ数日は絵を描かせてくれるような家も見当たらず、飲まず食わずで歩いて参りました。山道を抜けたところでもう力尽きそうになってしまったのですが、通りすがりの旅人に訊ねたところ、村外れに寺があると聞き、何とか力を振り絞りここまで辿り着きました」
「私は旅の絵師にて、諸国を浪々としております。体裁を繕えば、まあ、画道修業とでも申せましょうが、内実は行く先々で稚拙な絵を描かせて貰っては小銭を稼いでいるといった情けない次第なのです。ここ数日は絵を描かせてくれるような家も見当たらず、飲まず食わずで歩いて参りました。山道を抜けたところでもう力尽きそうになってしまったのですが、通りすがりの旅人に訊ねたところ、村外れに寺があると聞き、何とか力を振り絞りここまで辿り着きました」