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欲しいのは愛だけ
第5章 まさかの妊娠?
新しい週が始まった。
出会った後、本当に急展開で甘々だった航平さんとの関係だったけど、
流石に平日のお仕事の時間に連絡するのは遠慮してしまう。
仕事の内容もペースも判らないし、
名刺から推測するととても忙しい仕事だと思ったから。


私の方は、
いつもの1週間の始まりだった。

朝、起きたら取り敢えずシーツ類を洗濯機に入れてシャワーを浴びて着替えてから洗濯機を回す。
シーツ交換はこの季節は3日に一度くらいだけど、
流石に汗だくになって愛し合ったシーツをそのまま使うのは抵抗があったし、
クロエの香りのせいか、昨日の経験のせいか、
エッチな夢を見て途中で目が覚めたりしたから、
取り敢えず洗濯しようと思った。
これでは寝不足が酷くなってしまう。

パジャマは仮置きの為のスペースにハンガーに掛けた。
洗い立ても良いけど、2日目3日目の少しくたっとした着心地が好きだから、これもすぐには洗濯しない。


髪を乾かして一度部屋着に着替えてから、
お弁当を作ってコーヒーを淹れてトーストを焼く。


ショートメールが届く。

「メイ、おはよう」


私も返信する。

「航平さん、おはようございます」


すぐに携帯が鳴る。

「おはよう。
やっぱり朝、早いね?」

「航平さんもね?」

「もうオフィスでコーヒー飲んでる」

「うわ。
お早い出社ですね?
私もコーヒー飲みながらトーストですよ」

「文字を打ち込んでるより、
電話の方が早いし、
声も聴けるから。
身体はその…大丈夫?」

「はい。
大丈夫ですけど…」

「ん?
何?どうした?
なんかあった?」

「いえ…あの…
航平さんが夢に出てきちゃって」

「そんなこと朝から言われると、
抱きたくなるな。
メイ、可愛い」

「…」

「あ、ごめん。
会議の時間だ」

「はい。
お仕事、頑張ってくださいね?」

「メイ、愛してるよ」

「私も…」

と言ってる途中で電話が切れた。
やっぱり忙しいビジネスマンなんだなって思った。


トーストを齧って、コーヒーを飲んでから、
お皿とマグカップを洗って、
粗熱が取れたお弁当箱の蓋を閉めてゴムを掛けてから小風呂敷で包んでバーキンに入れた。
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