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オオカミオトコの花嫁
第1章 はじまり
狼男・蛇女と契約してこそ、一流の魔法使いであり、真の闇の紳士淑女である。
それが、この国—————ノワール・ロウ王国で、魔力を有する上流階級の中の、闇の貴族社会での常識だ。
ロゼッタ・アンダーローズも、その常識に逆らうことなく、ペアとなる狼男がいる。
相棒とも呼べるその狼男の名はルーヴ。白銀の髪とエメラルドの瞳をもつ青年だ。
ロゼッタと彼の出会いは、ほとんどの淑女と同様に魔法学校だ。
大多数の魔法使いが通うグランディエ魔法学校には、魔法科と異種科があり、パートナーを決めるのは当然の流れなのだ。
十二歳の頃に入学し、以来四年の月日が経つが、その間、ロゼッタはずっとルーヴと一緒にいた。
異種科の騎士コースを選択しているだけあり、ルーヴはとても真面目で、それでいて美丈夫であったため、淑女兼魔法使い見習いの少女たちから絶大な人気を誇っていたのだが、そこはロゼッタが実力で蹴散らし、なんとか彼に認められることに成功した。
つまり、ロゼッタにとってはルーヴはとても大切な相棒なのだ。
だが、最近、ロゼッタは彼に対して不満を燻ぶらせていた。
「……納得できないわ」
むすっとした表情で呟くロゼッタに、友人のマリンがきょとんとする。
青い髪に透き通る海色の瞳の彼女は、ロゼッタ同様魔法使い見習いであり、入学式から仲良くなった親友でもある。
「なにがです?」
「ルーのことよ」
「ああ、ロゼッタの相棒ですね。彼がなにかしたのです?」
「どうしてルーはわたしに触れてこないのよ!」
それが、この国—————ノワール・ロウ王国で、魔力を有する上流階級の中の、闇の貴族社会での常識だ。
ロゼッタ・アンダーローズも、その常識に逆らうことなく、ペアとなる狼男がいる。
相棒とも呼べるその狼男の名はルーヴ。白銀の髪とエメラルドの瞳をもつ青年だ。
ロゼッタと彼の出会いは、ほとんどの淑女と同様に魔法学校だ。
大多数の魔法使いが通うグランディエ魔法学校には、魔法科と異種科があり、パートナーを決めるのは当然の流れなのだ。
十二歳の頃に入学し、以来四年の月日が経つが、その間、ロゼッタはずっとルーヴと一緒にいた。
異種科の騎士コースを選択しているだけあり、ルーヴはとても真面目で、それでいて美丈夫であったため、淑女兼魔法使い見習いの少女たちから絶大な人気を誇っていたのだが、そこはロゼッタが実力で蹴散らし、なんとか彼に認められることに成功した。
つまり、ロゼッタにとってはルーヴはとても大切な相棒なのだ。
だが、最近、ロゼッタは彼に対して不満を燻ぶらせていた。
「……納得できないわ」
むすっとした表情で呟くロゼッタに、友人のマリンがきょとんとする。
青い髪に透き通る海色の瞳の彼女は、ロゼッタ同様魔法使い見習いであり、入学式から仲良くなった親友でもある。
「なにがです?」
「ルーのことよ」
「ああ、ロゼッタの相棒ですね。彼がなにかしたのです?」
「どうしてルーはわたしに触れてこないのよ!」