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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第5章 【ターニングポイント】
その一言で全部わかってくれる。
お前じゃなかったら来ねぇわって憎まれ口叩くけど口元は笑ってるもん。
切っても切っても切れない関係ってやつなのかしら。
お互い本命が出来るまで…なんて約束したけどそんなの無謀な事だってどこかで気付いてる。
だって無理よ。
このキスは拒めないし拒もうとも思わない。
寧ろ、お互いを手に入れようとしてる。
もう無意識の領域なの。
身体に染み付いた章介との快楽は決して私の中で消えない。
だから、だからこそ修復はしない。
執着してるだけが良い。
手に入れてしまえば簡単にリセットされてしまうだろう関係にわざわざ終止符を打とうとも思わない。
今がベスト。
嫌なら去って。
他あたるから。
「最低な女……」
「ん?何か言った?」
水のペットボトルを持ってきてくれた章介は優しく私を起こして手渡してくれる。
喉を鳴らして飲んでいると後ろに回り裸体のまま抱き寄せてくるのだ。
余韻を残し体温を分け合う。
そんな間柄でもないのに。
ベットサイドにペットボトル置いてくれてお互い喉が潤ったらまたキスするのね。
私から逃れた。
「こういうの、もうしなくて良いから」
「え?」
「知ってるでしょ?私が最低な事」
「あぁ、ヤるだけヤって後はもう要らないってやつ?」
シュシュで髪を纏めた。
シャツ一枚羽織って私はもう液タブに向かってる。
「シャワー浴びるなら浴びて良いよ、適当に過ごして」
「へぇ、もう、すぐ帰って…じゃないんだね?」
「帰りたいならどうぞ」
自分から真夜中に呼び出しといて早朝に帰れはないなと思っただけよ。
そんな嬉しい事?
ニヤニヤしちゃって鬱陶しいんだけど。
気が散らないよう背を向けた。
「じゃ、帰るよ、朝一で会議だし」
「あ……休みじゃないんだ?」
日曜だから休みかと。
「おい、まさか、今日月曜日だぞ?曜日感覚ないのかよ」
そういや、スーツ着てる。
わざわざ持ってきてたんだ。
時計着けながら呆れたように笑うもんだから「ごめん」とだけ謝った。
仕事あるのにあんな電話一本で来てくれて、私がもし爆睡したままだったら隣で寝てそのまま仕事行ってたのかな。