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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第6章 【覚醒するココロ】
遠くで誰かが私を呼んでいる気がする。
眠いのに……誰?まだ寝かせて。
………先生
……キ先生
「アキ先生っ!!」
パチッと目が覚めた。
真っ暗だった部屋に明かりが差してる。
ひんやりしていた床にうつ伏せで寝ていたらしい。
寝返りを打って第一声は「…水」だった。
ボーッとした頭で見慣れた天井を見つめてる。
慌ててペットボトルのキャップを取り半分起こして手に持たせてくれる。
上手く飲めなくてポタポタと溢れ手からペットボトルも落ちた。
握力全然ない。
逆光で誰だかよくわからない。
キミは誰…?
「……飲ませて」
ペットボトルの口をつけて飲ませようとしてくれるのに力の入らない私はそれさえ溢してしまうので。
柔らかい唇が私の唇を覆う。
やっと喉の奥に水分が行き渡った。
「……美味し」
「アキ先生、いつから倒れてたんですか?とりあえずベット行きましょう?起きれます?」
「……無理」
この声からするとこの子は千景ちゃんだ。
もうバイトの時間?じゃ、蓮くんもそろそろ来るのかな。
どうやら2日ほど貫徹で描きあげていたらしい。
その間、何も食べず。
思いきり没頭してしまっていた。
ジャンジャン鳴る携帯は途中で鬱陶しくなり電源は切った。
ヤバい……となるとシャワーも浴びてないや。
臭う…?
ていうか千景ちゃんが来なければ私、死んでた?
支えようとしてくれている千景ちゃんに抱き着いた。
「えっ!?あっ!?もぅ〜!アキ先生…」
起き上がるつもりが共倒れして一緒に床に寝そべった。
ようやく頭が冴えてきた。
随分寝てたんだろうな。
いつ倒れて寝たのかわからないけど3時間寝れてたら大丈夫。
押し倒して今、千景ちゃんに覆い被さっている。
「ありがと、助けてくれて」
「はい……電話繋がらないしちょっと早めに来て正解でした」
「電話?何か用だった?」
「晩御飯何が良いかなって」
「千景ちゃんのリゾットが食べたい……豆乳の」
「わかりました、作りますね」
「その前にお願いがあるんだけど」