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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第9章 最終章【軌跡】







「こちら次のインタビュー内容と撮影スケジュールです」




「ありがとうございます」




「もうヘアメイク入って大丈夫ですか?」




「はい、お願いします」




慌ただしく人の波を通り抜け、着いた途端に携帯が鳴り一息つく間もなく「もしもし鍵山です」と出ている。
イライラしてるのか煙草を咥えては喋り、壁に向かって手をつきなかなか火をつけない。
結局廊下に出て消えていった。




あれから5年の月日が経って目まぐるしく生活も一変した。
マンガ大賞を獲り、ドラマ化となり、映画化するまでロングヒット。
売れっ子TL漫画家の仲間入りを果たしたタカラアキは今じゃ飛ぶ鳥を落とす勢いで売れに売れている。




顔出ししたのも成功の秘訣ではないかと言われているが鍵山さんの戦略なので何とも言えない。
有り難いことになかなか太らない体質の私はモデル体型で世間じゃ美人漫画家と囃し立てられているらしい。




使って良い写真も鍵山さんが隅々までチェックしているもんだから、マネージャーとまで言われている。
まさか独立して本当にマネジメント業務を引き受けるからびっくりだ。
独立といっても前に居た編集部との繋がりは濃いが。




「言っただろ?俺、長期戦得意なの、ゆっくり時間かけて人生賭けて口説き落とすから」ってまーだ言ってるの。
一生独身のつもりですけど!?




言っとくけど私と鍵山さんって10個も歳が違うの。
もうオジちゃんだよ!?
アッチはまだまだ若いみたいだけど、こうして言い合えるのもいつまで続くやら。




「元彼になんか負けねぇ、俺の方が一番長い時間一緒に過ごしてんだ」って自負してる。
何度も言うけど元彼じゃなくて元旦那ね。
この2人、ずーっとお互いをライバル意識していて何だか笑けてくる。




「誰のモノにもならない」と宣言してもこのザマだ。
だから放っておく。
いちいち相手してられないほど仕事が忙しいので。




ヘアメイクも終わってインタビュー前に撮影から入る。
スタンバイOKでスタジオに現れた漫画家タカラアキに全スタッフの手が止まるほど。










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