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ナカまで愛でてトロトロに溶かして
第2章 【それぞれの葛藤】
「昨日はありがとうございました、あの…全然大丈夫ですので、わざわざすみません」
「描けましたか?良い作品」
「え?あっ……良いかどうかはわかりませんけど描くには描けました」
愛想笑い絶対バレてる。
「なら良かった、また機会があれば見せてくださいね?では僕はこれで…お邪魔しました」
顔色一つ変えずに章介にも会釈して帰って行った。
本当にそれだけ…?
章介が居なかったらまた何か違った展開になってたのかな。
休みの日にわざわざ会いに来るなんて。
昨日、断ったの根に持ってる?
呑み込まれないよう必死だったの。
結局、私は元夫と今一緒に居る。
別におかしな事じゃないよね?
鍵山さんには関係ないもん。
もう流されない。
仕事だけの関係でいる。
「ほら、もうゴミ収集車行った後だから帰るぞ」と章介が手を引く。
ペットボトルのゴミ袋また持ち帰る。
「ったく、仕方ねぇな、来週は俺が捨てといてやるよ」
「……来週じゃなくて再来週」
「マジか、じゃ、再来週な」
「再来週来るの?」
エレベーターにまた2人乗り込んで階ボタンを押す。
「ん…?また捨てれなかったら地獄だぞ」
「ハハハ、確かに……1ヶ月分溜まっちゃう」
「ゴミもそうだけど…俺のも」
そう言って繋いでた手を股関に触れさせる。
2人きりのエレベーター内だからってやり過ぎ。
解いて睨みつけてやった。
「生ゴミ以下ね」
「酷い……昨日はあんなに」
「ちょ、黙って、外で言うな」
「照れてるの?可愛い、悠、かーわい」
そそくさと部屋に入り脱ぎ散らかしたサンダルは章介が揃えて片付けてくれる。
寝室でTシャツを脱いだら後ろから。
「キャッ!悠ったら大胆!」ってどこから出してるかわかんないキーキー声で茶化す章介にイラっとする。
「着替えるの、出てって」
別に見られても減るもんじゃないけどさ、相手が章介だもんね。
新しいTシャツに着替えようとしたら取り上げられた。
「はぁ?返して」
「何イラついてんの?」
「あんたが服取るからでしょ!」