この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あなたが消えない
第9章 深夜のお仕置き
本気で人を愛するという事は、自分自身への愛を得るという感情以外のものは、全て消し去られてしまう。

今の私には翔の事以外は、どうでもいい。

少しでも翔を想うだけで身体が感じて、あちこちが火照り出す。

下の階に住んでいるという最も近い距離に、意識しただけで身体が一人悶える。

おかしくなりそう。

そして、欲しくなる…。

我慢できなくなる…。

翔に、今すぐ会いたい。

好きだとか愛してるとか、そんな単純な想いじゃない。

言葉なんかじゃ、表現できない。

土曜日の夕方、私は和男と買い物に出掛けて駐車場に着くと、102号室のご夫婦と遭遇して、和男は挨拶をする。

「こんばんわ」

「どうも、こんばんわ」

「寒くなりましたね。お買い物ですか?」

奥さんが言うから私も、

「えぇ、買い込んでしまって」

旦那さんも和男に言う。

「仲がよろしいですね」

「いいえ、とんでもない」

愛想笑いをしていると、タイミング悪く101号室の扉が開いた。

やだっ…嘘っ…。

なんか凄く気まずい。

「ねっ、もう行こう?」

私は和男の服を引っ張る。

今は、翔には会いたくない。

自分が旦那と一緒に居る所を、目撃されたくない。

けれども翔は、タバコを吸うためだけに出て来た。

それと同時に、102号室の夫婦は急に無口になり、私達よりも先に部屋に入ってしまった。

まるで怯えているみたいに。

堂々と静かにタバコの煙を吹かす翔。

和男は目を凝らしながら、翔の姿をじっと捕らえる。

「あれが…」

一言だけ言って、更に見下すような和男の視線に、私は翔を見つめた。

しかし翔は、頭も下げずに無視してタバコを吸い続けて、いっこうに部屋へと戻ってくれない。

…………。

「部屋に戻ろうか」

和男が言う。

「…うん」

私は和男の後ろを歩いた。

だけど、もう一度衝動的に、振り返り翔を見つめると。

翔は寒そうに、階段を昇る私を見つめていた。

どうしよう…。

あんな目で見つめられたら、私はこの荷物を置いて、今すぐにでも、あなたに抱かれたいと思ってしまう。
/145ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ