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あなたが消えない
第11章 絶頂感にひれ伏す
今日の午前中は面接。

和男が、家を出て行く直前に伝えた。

「和男、今日の面接が終わったら、私どうしても年末最後に一回実家に戻ってゆっくりしてきたいの。ダメかな?」

「全然いいよ。俺も相変わらず帰りが遅いから。アルバイトしはじめたら、なかなか実家にも戻れなくなるだろうし。ゆっくりして来いよ」

「ありがとう」

あっさりとOKをもらった。

「じゃあ、行ってきます」

「はい、行ってらっしゃい」

私は玄関で見送って、扉を締める。

そして慌てて、お泊まり準備をする。

その次に面接の準備をする。

清潔そうな白のブラウスを来て、黒のタイトパンツを履く。

ボールペンに履歴書。

スケジュール帳に、印鑑。

翔と会う約束をしているからか、面接前なのに全然緊張もしていなかった。

むしろ早く面接、終わらないかな~なんて、軽く考えていた。

面接は順調に終わり、合否の連絡は三日後に入れると言われた。

お店の人は、人手不足だから採用は決定したようなものだから、キャンセルしないでね~って言われてしまった。

早く、今日の出来事を翔に伝えたい。

なんて、言ってくれるかな。

翔は私の話をいつも最後まで黙って聞いてくれるから。

話すと落ち着く。

そういう意味でも私にとったら、かけがえのない人なのだ。



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