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モーニングコーヒー
第15章 レベル15〜ラスボス攻略
りんさんは、自分の言葉通り、
なんと2年近い時間をかけてゲームをクリアした。

チームソルトのメンバーや、
野良の普通のプレイヤーさん達とも何度もダンジョンに通っていたけど、
俺と一緒に行くことは一度もなかった。


その2年間の間に、
俺たちのゲームはある意味、社会現象にもなった。

認知症予防にと、80歳はおろか、
海外だったが90歳を超えるプレイヤーも登場した。


また、一人暮らしの人で、
急にログインしなくなった人について、
安否確認を促して、
実際に倒れていた人を保護する事例が全国で複数あったりした。


プレイ中に体調が突然悪くなって、
チャットで救急車を呼べたという事例もあった。


また、すっかり家族と疎遠になっていた人達が、
このゲームをきっかけにして、
最初は文字チャットからボイスチャット、
そして、日常の電話から行き来するようになったという話も多く聞かれた。




エンドロールの後の隠しダンジョンを見つけて始めたりんさんは、
「あー!
ラスボス、私じゃなくて、
駿さんじゃないの!」と楽しそうに叫んだ。


俺は椅子を隣に引っ張っていって、
のんびりとりんさんがゲームをするのを見ていた。


家族4人で、
何処かに走って行くのを見て、
りんさんは急に俺の首に手を回してキスをした。


「素敵なエンディング、
ありがとう!!」


「お礼、言いたいのは俺の方だよ?
ホント、幸せ。
ゲームの中でも一緒に過ごせたよ。
今度は、どんなの作ろうかな?」



瑛人は幼稚園児になって、
自分の部屋で眠るようになっていた。
時々、クマのぬいぐるみを持って、
俺たちの間に潜り込んだり、
りんさんの両親の寝室に行くこともあったけど、
「ボク、おにいちゃんだもん。
赤ちゃんじゃないよ?」と言って、
すっかり独りで寝るようになった。


秀人も大学が忙しそうだった。
それなのに、去年は世界的なピアノコンクールで入賞してた。
本当に多彩なヤツだ。




りんさんを抱き上げてベッドに横たえて、
いつものようにキスをして愛し合って、眠る。


朝になったら、
一緒にシャワーを浴びて、
俺がコーヒーを淹れて、
りんさんが作る朝ご飯を平らげる。


毎日。
これからもずっと。





(完)


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