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近くて遠い
第19章 運命
───────…

ゆっくりと重いまぶたを開いた。



「要っ!要……!!!」


この声は…
お母様か…


「よかったっ…!丸3日、お前は目を覚まさなかったんだぞ!」


お父様…


丸3日……




一体何があった…?



そして、




何故、部屋の電気が消えている…?



これじゃあダメだ。




真っ暗で何も見えない。



「真っ暗だ…」


要がポツリと呟くと、

周りのみんなが息を飲む音がした。


何かがおかしい…


何かが…



「そんなっ…要!!」


脇でお母様がすすり泣くのが聞こえる。


「どうして泣くんですか…」


その前に誰か、


電気をつけてくれ。



じゃないと、まるで見えない。



真っ暗なんだ…


「やはり、あのレントゲンで見えた破片が視神経を…」


ん?


誰だ…

両親以外に誰かいる。


分からない。


何がどうなってる…?


「誰かいるんですか…」



すすり泣きが聞こえる方を向いて要が質問した。


その言葉により母が涙する。


父がその母の背中に手をやると、ゆっくりと口を開いた。



「要……落ち着いて聞け…
お前は3日前事故にあった。それでな…お前は…」



─────視力を失ったんだ。



と父は唇を震わせて言った。

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