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近くて遠い
第28章 にわか雨
何か喜びそうなものを土産に買ってやりたいと思うが、いまいちいいのが思い浮かばず光瑠はパリの街を酒田とウロウロしていた。
「社長、いっそ指輪とか買ったらどうですか?エンゲージリング。」
酒田の提案に、それはいいかもと思ったが…
「サイズが分からん。」
「あぁ……」
と酒田が項垂れる。
食べ物ではなくなってしまうから呆気ない。
何か、形に残るものを…。
「あ、こういうの、いいんじゃないですか?」
背後から聞こえた酒田の声に光瑠は足を止めた。
酒田が指を指した先を見ると、あるネックレスがあった。
チャームは小さな金のプレートで、そこには文字と小さな宝石が一粒付いている。
「表には名前、裏には好きな言葉を彫ってくれるみたいですよ?」
「好きな言葉?」
脇にあったフランス語の説明プレートを見ながら、酒田が光瑠に説明した。
好きな言葉……
光瑠は、顎に手を充てて考えた。
これからの未来に向けて──
「決めた。」
光瑠がそう呟いたとき、酒田が表示された値段を円換算して泡を吹きそうになっていた。
「社長、いっそ指輪とか買ったらどうですか?エンゲージリング。」
酒田の提案に、それはいいかもと思ったが…
「サイズが分からん。」
「あぁ……」
と酒田が項垂れる。
食べ物ではなくなってしまうから呆気ない。
何か、形に残るものを…。
「あ、こういうの、いいんじゃないですか?」
背後から聞こえた酒田の声に光瑠は足を止めた。
酒田が指を指した先を見ると、あるネックレスがあった。
チャームは小さな金のプレートで、そこには文字と小さな宝石が一粒付いている。
「表には名前、裏には好きな言葉を彫ってくれるみたいですよ?」
「好きな言葉?」
脇にあったフランス語の説明プレートを見ながら、酒田が光瑠に説明した。
好きな言葉……
光瑠は、顎に手を充てて考えた。
これからの未来に向けて──
「決めた。」
光瑠がそう呟いたとき、酒田が表示された値段を円換算して泡を吹きそうになっていた。