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第38章 大事なもの

本当に

渡辺はただただ真希を殺して、光瑠に復讐することしか考えていない──





結局、光瑠も要も想いに翻弄されて健気な真希を振り回してしまった───



すみませんと悲痛な声で必死に謝る酒田を二人はいまやどうにもならぬ反省をしながら、眺める。



「もしっ…！もし真希さんが死んでしまったらっ…」




「それはさせない」




低い言葉で光瑠が酒田の言葉を遮った。




要と光瑠が顔を見合わせる。



二人の思いは同じ。




ただただ


『大事な』


少女の命を


救うこと───