この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
近くて遠い
第41章 けじめ
「……結局、みんな真希ばかりに頑張らして…救われて…」
後ろでお父さんが呟いた。
私は光瑠さんの隣に正座してお父さんの方に向き合った。
「本当に…お前には敵わない…自慢の娘だよ……」
お父さんは手の甲で涙を拭いながら、顔をくしゃっと崩して微笑んだ。
そして、顔を上げた光瑠さんを見つめた。
「有川さん、椅子に…座りましょうか……」
そんな提案をしてお父さんが立ち上がると、
待って下さい──と光瑠さんが声を掛けた。
「ほら、もういいですから──」
「もう一つお話があります。」
そう言った光瑠さんの横顔を再び私は見つめた。
そして、光瑠さんは私の方を見て、強く私の手を握った。
「光瑠さん…?」
あまりに真っ直ぐな瞳にドキドキと胸がうるさく鳴る。
光瑠さんはしばらく私を見つめたあと、再びお父さんを見上げた。
「どうしようもないこの僕を真希さんは救ってくれました。真っ暗だった未来に光を灯してくれて…。真希さんは、僕の希望──そのものです。
苦しめておきながら、こんなことを言う権利無いかもしれない…
でも、僕は彼女を…真希さんを愛しています」
後ろでお父さんが呟いた。
私は光瑠さんの隣に正座してお父さんの方に向き合った。
「本当に…お前には敵わない…自慢の娘だよ……」
お父さんは手の甲で涙を拭いながら、顔をくしゃっと崩して微笑んだ。
そして、顔を上げた光瑠さんを見つめた。
「有川さん、椅子に…座りましょうか……」
そんな提案をしてお父さんが立ち上がると、
待って下さい──と光瑠さんが声を掛けた。
「ほら、もういいですから──」
「もう一つお話があります。」
そう言った光瑠さんの横顔を再び私は見つめた。
そして、光瑠さんは私の方を見て、強く私の手を握った。
「光瑠さん…?」
あまりに真っ直ぐな瞳にドキドキと胸がうるさく鳴る。
光瑠さんはしばらく私を見つめたあと、再びお父さんを見上げた。
「どうしようもないこの僕を真希さんは救ってくれました。真っ暗だった未来に光を灯してくれて…。真希さんは、僕の希望──そのものです。
苦しめておきながら、こんなことを言う権利無いかもしれない…
でも、僕は彼女を…真希さんを愛しています」