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不良の彼は 甘くて強引
第33章 甘くて、強引


柚子は驚いて彼を見た。


「……」

「…ン…ッ…ハァ…」




「──…俺を求めろ」




以前もどこかで聞いたような

その言葉──


柚子は息を切らせ、止まらぬ陵辱に眉をよせながらも彼を見つめ続けた。



「…欲しくはないのか」

「…んッ…ハァ…で…でもッ」


なんでそんな…


表情はいつもと変わらないのに……っ…声だけ

…淋しそうなの?




「…いやと言うのは本心か」

「…ハァァ…っ…だって…!」


だって…!!
これ以上は…本当に──



「…アッ……これ以上したら…っ…頭が…変になりそうだから…っ…」


「──…なればいいだろう」


「──…ッ!?」


「…俺の腕の中で…俺の前でだけ…っ…狂えばいいだろう…!」


「…あっ…んッ…」


「…何故それがわからない」



そう言った匠の声には激しさも含まれていた。



「……んッ…ぁッ…ハァ…ぁ」


そうしてまた彼女に悩ましい快感を送り続ける。まるで…

その唇から、少しでも多くの喘ぎを絞り取ろうとするかのように──




「…ハァ…っ…」


これも…匠さんの、愛の形なのだろうか

強く抱き締める腕や、時折見せてくれる優しさがそうであるのと同様に。

でもこんなに激しいの、わたしには受け止めきれない…!



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