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不良の彼は 甘くて強引
第35章 エピローグ
…でもね、匠さん。
こうやって、大切な思い出にすがり続けていたくても…
思い出は所詮、思い出なの。
どんなに素敵な思い出も
過去のことに変わりはない。
そしてどれほど過去が輝いていたとしても
それは " 今 " ではないから…。
何時までもすがってばかりではいられないんです。
それでも、わたしにとっての " 今 " はこの…あなたのいない世界。
だからそんな現実から目を背けたくて
わたしは " 未来 " という言葉に逃げるの。
未来には…
あなたがいるから。
わたしの側には匠さんがいてくれる。
医者になった匠さんが、患者さんとお話してる。
面倒くさいっていいながら、それでも命と向き合うあなたを…わたしは隣で見守っているんです。
そんな未来が待ってるから
わたしは今の自分を大切にできる──