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第35章 エピローグ

柚子の手元に影がさす。







「──…」






言葉を呑んだ彼女が顔を上げると

此方を見下ろす長身の男。








「何の本だそれは…」




その男は固まる柚子の横にドサリと座り、彼女の手元を覗きこむ。








「……あ…ｯ」


「…!?」






ｶﾞｼｯ









不意にクラリときた彼女が、座ったまま後ろに倒れそうになり


驚いた彼は咄嗟に腕を掴んで引き止めた。