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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第32章 思い出づくり
俯きながら後をついてくる香奈子を、竹内は背中越しに感じていた。

「クククッ・・・」

その顔は不気味な影を作りながら、邪悪な笑みを浮かべている。

(あと、少しだな・・・・)

確かな手ごたえを感じていた。

逃げようと思えば出来る筈である。

拒否して帰ればいい。

それをしないということは、香奈子も望んでいるという事ではないか。

トドメに薬を入れたカクテルを飲ませようとして、うまくいかなかったが、もうその必要もないらしい。

喪服に身を包んでやってきた威勢が良かった態度も、メガネを外して睨んだだけで、射すくめられたウサギのように大人しくなってしまった。

やはり、昨日の激しいセックスは香奈子に強烈な余韻を残したのだろう。

一度味わった官能は消えるどころか、更に増幅して潜在意識に植え付けられたに違いない。

何人もの女をSM調教してきた竹内は、そんな気持ちの変化が手に取るように分かった。

今、気持ちは揺れ動きながらも、心の片隅で再び犯される事を願っている筈である。
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