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縛られたい
第9章 本当のプロポーズ〜まりあ
翌日の連休明けに役所に図面を届けに行くことになっていて、
「一緒に行ってくれる?」と言われた。
データだけじゃなくて、
印刷したものも納品するのがお役所っぽいなと思いながら、
阿部さんの車で午前中からドライブ気分で出掛けた。
お昼前には納品も終わって、
「ちょっと寄りたい処があるから」と、
車を停めて百貨店に入った。
阿部さんはちょっと紅い顔をして、
「えっとさ、イタリア製の下着、
買いに行かない?」と言った。
「えっ?」
「勿論、脱がせる気、満々だよ?」と言うので、
私まで紅くなってしまったけど、
そのまま、そっと指を絡ませるように手を繋いで、
下着売り場に向かう。
顔見知りの店員さんを見つけて、
「新作、見せてください」と声を掛ける。
「こんな処、初めてで恥ずかしいんだけど…」と言う阿部さんに、
「ダメです。
プレゼントしてくれるんだったら、
選んでくださいね?」と言った。
いくつか並べてくれた中から阿部さんが選んだのは、
淡い桜のような色のセットだった。
「試着はされますか?」と訊かれたけど、
「サイズ、変わってないので大丈夫です」と答えた。
「あの、プレゼント用に包んでください」と阿部さんが言うので、
店員さんが微笑んで頷いていた。
「次は、シャネルのリトルなんとかを買いに行こうか?
それとダイヤモンドの指輪だな?」
「えっ?
それはお高いから要りません。
これから受験とかでもお金、かかるし…」
「それとこれとは別。
まりあさんが嫌な思いをしたもの、全部書き換えたいから。
モノじゃ、勿論、書き換えなんて出来ないだろうけど、
お願いだからそれくらいさせて?
それに結婚したのに、
指輪も渡してないなんて、
俺、凄く不甲斐ない甲斐性なしみたいじゃない?」と笑う。
あまりにも真剣な顔で言うので、
私は思わず頷いてしまった。
「一緒に行ってくれる?」と言われた。
データだけじゃなくて、
印刷したものも納品するのがお役所っぽいなと思いながら、
阿部さんの車で午前中からドライブ気分で出掛けた。
お昼前には納品も終わって、
「ちょっと寄りたい処があるから」と、
車を停めて百貨店に入った。
阿部さんはちょっと紅い顔をして、
「えっとさ、イタリア製の下着、
買いに行かない?」と言った。
「えっ?」
「勿論、脱がせる気、満々だよ?」と言うので、
私まで紅くなってしまったけど、
そのまま、そっと指を絡ませるように手を繋いで、
下着売り場に向かう。
顔見知りの店員さんを見つけて、
「新作、見せてください」と声を掛ける。
「こんな処、初めてで恥ずかしいんだけど…」と言う阿部さんに、
「ダメです。
プレゼントしてくれるんだったら、
選んでくださいね?」と言った。
いくつか並べてくれた中から阿部さんが選んだのは、
淡い桜のような色のセットだった。
「試着はされますか?」と訊かれたけど、
「サイズ、変わってないので大丈夫です」と答えた。
「あの、プレゼント用に包んでください」と阿部さんが言うので、
店員さんが微笑んで頷いていた。
「次は、シャネルのリトルなんとかを買いに行こうか?
それとダイヤモンドの指輪だな?」
「えっ?
それはお高いから要りません。
これから受験とかでもお金、かかるし…」
「それとこれとは別。
まりあさんが嫌な思いをしたもの、全部書き換えたいから。
モノじゃ、勿論、書き換えなんて出来ないだろうけど、
お願いだからそれくらいさせて?
それに結婚したのに、
指輪も渡してないなんて、
俺、凄く不甲斐ない甲斐性なしみたいじゃない?」と笑う。
あまりにも真剣な顔で言うので、
私は思わず頷いてしまった。