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第9章 　雪乃

いつまでもその後ろ姿を見送る雪乃
携帯が為って我に返った
｢雪乃！打ち合わせ始まる！｣
あっ！順子からだ
拙い～ダッシュ～
｢遅い！早く～｣
雪乃は順子に引っ張っられて会議室に入った
雪乃の会社は中堅ステーショナリ製作会社だ
雪乃の部署はキャラクターを使った
商品を製作するのだが
既存のキャラクター商品が頭打ちで
新キャラデザインを任されている
雪乃は絵が大嫌いと言うより下手すぎて笑いが出るほどなのに……
大丈夫ですかこの会社～私なんかにキャラクターなんて考えさせて！
憂鬱な会議だよ　どうなる事やら

やっぱり今日も笑われてしまった
｢おばちょんシリーズ｣
おばちゃんとお化けを合わせたような
色々なおばちょんがギャグを発する
雪乃の描いた絵が酷すぎで
おばちょんは基本丸で顔は点四つ
その時その時で表情は変化するし
伸びたり縮んだり自由自在なお化けで楽しく浮遊するんですよね的に
説明したら……あたりまえだけど
ガンガン責められ泣きたくなった
ったくさ誰かヨンコマでも描いてよ～
ギャグまで考えろって言われても
じゃぁ部長考えてよ　普段くだらないギャグ言ってんだから！

順子は良いよね綺麗系のデザインをまかされて絵も上手いと来れば話早いよ！
羨まし～
その順子が必死に押してくれた
すると業務から出ていた部長が
協力出来る人材がいるから
チームにしておばちょんを練ってみたらと提案為てきた
うちの部長もその申し出をいとも簡単に受けて～
もう嫌だ！移動為たいよ～
順子雪乃業務の人で｢チームおばちょん｣が出来てしまった～
誰か！誰でも良いから～助けて！
おばちょんを練ってどうする？