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第54章 （５４）

「織豊」

板橋は真っ直ぐ前を見たまま言う。

「何？」

「この事件には関わらない方がいい。もし、西郷が絡んでいるとしたら尚更だ」

「どうして？」

板橋はほのかの脚を撫でるように触りながら

「あの時の事件。逮捕された西郷が語った動機を覚えているか？」

「美しい人間に嫉妬する」

「お前は美人だ。スタイルも良い。このまま事件に関わっていると命が危なくなる可能性がある」