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第84章 （８４）

夜。

宗人は事務所のソファーに座ってタバコの煙を吐く。

「誰かに殴られたのか？」

麗紫亜の頬のアザを見て言った。

隣に座る麗紫亜は脚を組み替えて

「紫霞よ」

タバコを指で挟み

「じゃあ三兄弟全員がやられたってわけだ」

宗人は苦笑する。

「どうせふざけて言っただけだろ？」

真矢が言うと

「それにしては落ち着いた感じだったわ」

「あいつはそういうタイプなんだよ。何に対しても物怖じしないというか」

二人の前に立つ真矢は言った。