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第86章 （終章１）

欐耶は空き缶をガラステーブルに置き

「健斗は海のこと、まだ諦めてへんのんか」

秋葉は缶を両手で持ち

「海がいなくなってからかなり経つけど、ひょっこり帰ってくるような気がするんだよ」

欐耶は神妙な面持ちで

「ほんまごめん。私のせいで」

秋葉はバンッと欐耶の背中を叩き

「だから、お前に責任はねぇよ。お前はただ、海と旅行をしていただけだ。それだけだよ」

秋葉は残りのビールを飲み干した。