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第115章 （過去４）

伊吹の運転してきた黒のアルファードが道路脇に止まった。

「三人とも乗れ」

町田は紫霞の首をつかんだまま言う。

「乗るわけねぇだろ」

りのは町田を睨んで言う。

町田はジロッとりのを見て

「威勢のいいのは褒めてやるが、言うことを聞いた方が良い。こいつが死ぬぞ」

ググッと、手に力を入れる。

紫霞は苦しそうに顔を歪める。

「こんなに人がいるのに殺せるわけないじゃん」

りのが言うと

「見ろよ。みんな無関心だ。夜のこの辺りは喧嘩やトラブルは日常茶飯事だ。今俺がやっていることも、夜じゃ日常の風景だ」

通りがかりの人は、りの達の方を見るが特に関心を示さないように見えた。

関わり合いになりたくないという思いもあるのだろう。

「ふ、二人は関係ないから。。。お願い。。。」

「連帯責任だ」

「お金は。。。返すから。。。」

「金の問題じゃねぇよ。俺を舐めたのが許せねぇんだ」

伊吹が車から降りて近づいてくる。

町田はクビをつかんだままアルファードに向かって歩く。

「紫霞っ！」

りのが叫ぶと、伊吹はりのとまりんの首に腕をかけて

「おら、お前らも乗れ！」