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私の家庭教師はAV男優
第29章 (29)
「じゃあ、面会時間が終わるから俺は帰るよ」

「うん。家庭教師さん。ありがと」

「お大事に」

「うん」

キセキは病室を出た。

すると、まりんの母親がドアの横の壁に背中をつけて腕組みをしていた。

「あ、お母さん」

まりんの母親は病室から出てきたキセキに目をやり

「まりん、どうだった?」

「記憶喪失だったんですね」

まりんの母親はドアの方を見て

「記憶喪失というか、まりん自身も喪失してしまったみたい」

キセキはまりんの母親の隣に立ち

「はい。別人の様でした」

キセキも同じ様に腕を組んだ。
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