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第31章 （３１）

「何？」

りのが顔を上げて言うと

「おんぶしてやんだよ」

「なんで？」

「靴履いてねぇからだよ」

「嫌。ヤクザにおんぶされたら何されるかわかんない」

「今死のうとしてた奴が今さら何を怖がってんだよ。ほら早くしろよガキ」

渋々りのは長髪の男の背中にもたれかかった。

長髪の男は立ち上がろうとすると

「うっ。重っ！小柄だから油断してた。いてっ！いてぇって！！」

りのは長髪の男の髪を引っ張り

「女の子に思いなんて言うな。お前が橋から落ちて死ねよバカ」

長髪の男はゆっくりと歩き出し

「気の強えガキだな。ホントに死のうとしてたのかよ」