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真夏の夜の夢
第5章 第四夜

あれはもう10数年前の出来事・・・

お盆休みにどこかへ行きたいねと彼女が言った。

この場合の「どこかへ行きたい」は
もちろんお泊りで遊びに行きたいということを意味していた。

どこかと言ってもお盆休みは3日後・・・

こんな時期に空室の旅館やホテルがあるだろうかと
パソコンで検索をすると
山の中の温泉地の旅館に空室を発見
(場所は読んで字の如しだけど詮索しないでね)

キャンセルが出た部屋なのだろうか
有名な温泉地の旅館なのに格安だった。

当日、その旅館を訪れると
2名だけの宿泊なのに3部屋もある客室に案内された。

仲居さんに案内されて部屋に足を踏み入れた途端…
俺の背筋にゾゾゾ・・・と悪寒が走った。

『あ・・・この部屋・・・ヤバイかも・・・・』

そう直感した俺は部屋のチェンジを申し入れたが
あいにく満室ということで
部屋の交換はしてもらえなかった。

仲居さんは部屋の施設の説明もそこそこに
足早に部屋から出ていった・・・・
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