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咎女(とがめ)
第10章 紫子
―――…

幸恵が夜勤明けでアパートに帰ると、部屋の前に二十歳くらいの女性が立っていた。
いかにも"お嬢様"という出で立ちの彼女は、幸恵を上から下まで値踏みするような目付きで眺めた。


「貴女が、優人をたぶらかしているっていう人?」

「え?」

「はじめまして。私、優人の婚約者で高城紫子と申します」


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