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咎女(とがめ)
第12章 幸恵
その言葉で、優人が母親を亡くしたばかりだということを思い出す。

「そうだ、これ拾ったんだけど」

優人は見覚えのある財布を差し出した。

受け取ってみると、男が持ち去ったはずの幸恵の財布だった。

「ひ、拾った?どこで?」

「幸恵の、アパートの前で」

「アパートに行ったの!?」

幸恵は悲鳴をあげそうになる。



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