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ムッツリ最高
第3章 出会い
 彼と私を結びつけてくれたのもその本だ。

 自分の異常なまでのいやらしい妄想を誰にもぶつけられず、人並みの恋では満足できず、かといって奔放にも生きられない、むっつりなどすけべな自分。

 公務員という固い仕事についてから、一段と、自分の内面を出せなくなり、私の楽しみは投稿された官能小説を読み、妄想を膨らませることばかりになった。

 ある日、投稿された小説の中で、とても文体も、内容も、堪らなく好きなものに出会った。

どんな人が書いているのかしら???

 プロフィールを覗くと、「t-K」とペンネームがあり、「国語の教師をしています。異常なまでのむっつりな妄想に日々酔っています。そんな思いを、言葉に紡いでいます」そう書いてあり、好きな小説として、私に初めて本当のエクスタシーを教えてくれたあの本の名が書いてあったのだ。

「精神的につながるからこそ、見えない足にすら欲情し、感じ合う。そんな二人か素敵で堪らないと思う。吐息を掛け合うだけで、ただ、手を握り合うだけで、エクスタシーを感じるほどにつながりあえる人に巡り合いたい。」

 私は、その彼のプロフィールを読んだだけで、身体中が熱るようなきもちになり、堪えられなくなって、いつもはしないような大胆な行動をしたのだ。

 彼へのチャットメッセージ欄に、私もその本がたまらなく好きなことを書き、そして、その本が私に初めてエクスタシーをくれたことを赤裸々に書いてしまった。

 興奮して、一度それを送ってしまってから、急に恥ずかしくなり、もう一度、慌てて書いた。

"急にすみませんでした。私は、本当に、普段は大人しく、地味な普通の女で、こんなことを送ったのは初めてで、ただ、t-kさんの書く小説がとても好きです。
これからも楽しみにしています。"

 それを送って、自分のしてしまったことに放心していた時、チャットメッセージが届いたことを知らせるマークが、右上のマイページのアイコンに光った。
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