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水上都市の商人
第1章 私には秘密がある
エトワールは夢を見た。真っ白な空間にいる自分を認識する。やがて、背後に気配を感じた。振り向くとそこには白い人影がいた。身長180cmぐらいだろうか。中肉中背の男に見える。いや、違う。それは人間ではなかった。全身を包む純白の衣装は古代ギリシャの神々を思わせるデザインをしている。頭には金色の冠を被っている。目も眩まんばかりの光を放つその姿はまさに神と呼ぶに相応しい威容を誇っていた。
「神様?」
エトワールはその人物に向かって尋ねた。
「いいえ」
相手は首を振った。
「では、天使様でしょうか?」
「いいえ」
今度は否定された。エトワールには相手が何を言っているのか理解できない。
「じゃあ、何なんでしょう?」
「私は貴女の本心です。深層心理の投影とも言えます。ですから私は貴女をよく知っています。私の姿が貴女の願望なのです。なりたい自分です」
「へぇー」
確かによく知っているようだ。自分が何者か分からないという不安感が少しだけ和らいだ気がする。
「どうしたらなれますか?」
「なりたいと強く願えばなれると思います」
「なるほど」
「ただし」
「ただし?」
「今のままですと私は消えてしまいます」
「どういうことですか?」
「今の貴女はまだ私になる準備ができていません。私が消えてしまうということはそういうことです」
「……」
「大丈夫ですよ。すぐに準備できますから」
「分かりました」
すると男はエトワールの前に電動バリカンを置いた。
ぎょっとしてドン引きする。「こ、これはなに?」
「見ての通り頭を剃る道具です。今からきれいさっぱり貴女の髪を刈り落とします。男になりたいのでしょう?」
「ちょっと待ってください!」
エトワールは慌てて叫んだ。
「はい?」
「そんなの聞いてないんですけど」
「言ってませんでしたか?」
「言ってませんよ」
「そうでしたか。でも、もう決めちゃいましたから』
男はエトワールの首筋にスタンガンを当てた。そして気絶した彼女の首にカットクロスを巻いて前髪にバリカンを滑り込ませた。スイッチを入れる。ウィィィーン。電動の刃が容赦なくエトワールの黒髪を剃り始めた。
***
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