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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第39章 始まり
涙が溢れてくる。
啓介の腕の中で肩を震わせている。

男は優しく髪を撫でながら続けた。

「俺は今、物凄う幸せや。
いつ死んでもええ。
せやけど、自分の立場はわきまえとる。

お前の夫は武なんや、俺と違う・・・。
俺とお前はそう・・・。

夕方までの恋人や」

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