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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第46章 強い女
水を更に強く流した。
嗚咽の音をかき消したかった。

恵は泣いた。

二人の愛に貫かれた官能の記憶は決して消える事無く、恵を獣に変えていくだろう。
もう、戻れない。

だが、それでも無くしてしまった心の支えが愛おしかった。
少女の頃にあった純粋さを追いかけていきたかった。
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