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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第48章 信号
再び悲しみのカーテンに心が閉ざされそうになった時、ようやく恵は気づいたのだった。

「わかった・・わ・・・」
左肩の心地良い重みに口を閉ざしていた男が、恵の声に顔を向けた。

「タバコ・・・よ。お義父さん、吸ってない・・・」
イタズラがばれた少年の顔で男が言った。

「ああ・・・やめたんや」
「えっ・・・?」

女の意外そうな表情に顔を赤らめて男は続けた。
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