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午前十時を過ぎたなら(恵の選択)~義父との秘密が始まる
第72章 二人きりの夜
「お義父・・・さん・・・」

恵はケースを握り締めたまま男の胸に飛び込んだ。
小さな肩を震わせながら泣いている。

男は愛おしそうに抱きしめて言った。

「ははっ・・ホンマ泣虫やな・・・恵は・・・
「好きや・・愛しとる・・・
「もう、放さへん・・・結婚してくれ・・・めぐみ」

「ああ・・う、ううっ・・・
「お義父さん・・お義父・・・さん」
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