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第152章 由美のステージ5（リアル啓介）

啓介は初めてメールを交わした頃の由美との会話のやり取りを読返していた。

次の返信までの数十分を待ちつぶすために。
由美が実家に帰っている一か月の間、二人のプレイも中断されていた。

父親の容態としばらくは連絡できない旨のメールを受け取り、啓介は待つことにした。
由美からメールが来ない以上、それが彼女の意思だと思ったからだった。

中断する直前まで、悩んでいた彼女を想うと当然のことなのだから。
結局、二人の関係はこれで終わりになるが、良かったと思いたい。

中途半端にズルズルと続けていっても不幸が待っているのは明白だ。

「これで、いい・・・これで、いいんだ・・・」
何十回、何百回と呟いた言葉を啓介は繰り返す。

自分に言い聞かせるように。
そして、二人のやり取りが「ヴァーチャル奴隷契約」に差し掛かった頃、メールアイコンが浮かんだ。

啓介はカウントダウンに入った由美からのメール受信を、大切そうにアイコンをクリックするのだった。