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第4章 恋心

容姿だけではなく、デザインセンスも良かった。
坂口の外観デザインと合わせ、クライアントの評判も良い。

あの技術者以外は。
彼はきっと由美のことが好きなのだろうと、坂口は思った。

小学生のガキが可愛い女の子を虐めるように、いちいち絡んでくる。
昨日の打ち合わせは別件があって同席できなかったが、さっきの給湯室の会話で理解した。

来週は同席して、由美を、自分にとっての天使を守ろうと思った。

そう、坂口は由美に恋していた。
年甲斐もないとは自覚してはいるものの、こんなに熱い気持ちになったのは妻と知り合って以来だ。