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第5章 反論

「失礼・・・興奮すると関西弁に戻るもんで」
ドッと、笑い声が上がった。

普段、大人しい男が大音量で一喝した後のひょうきんな物言いが絶妙だった。
技術者もプロジェクトでは上役の若者の表情を見て、不利を悟った。

「これ以上補強すると、窓から景色がみえないし、一室当たり3万円、全部で1000万円以上の増額となります、それでもよろしいでしょうか？」

一転して、標準語に戻った説明は説得力があった。
そのまま技術者は黙り、由美のデザインは正式に承認されたのだった。