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第56章 マドンナ

男が心配する通り、ヴァーチャルとはいえ、このままプレイを続けていくと歯止めがきかなくなるだろう。
由美としては、そうなっても構わないし、そうなりたい気持ちもあったのだが。

男には妻がいる。
この事実は決定的なものなのだ。

一線を越えてしまえば、男の家庭を壊すことになってしまう。
それほどの激情を坂口に対してもっているかと問われると自信は無かった。

一時の思い込みで暴走するのは由美も避けたいと感じていたのだ。
かといって、この甘美なプレイを忘れ去ることができるほど、強くはない。