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第4章 再会の夜
「八木ちゃん、ちょっと待ってよ!」

繁華街のネオンを切り裂くように歩く星良に、
雅人はやっとの思いで追いついた。
中高とアスリートだった星良に追いつくため、ずいぶんと走らされた。

「なによ?」

「なによ、じゃないよ。急に帰るなんて」

雅人の息はすっかりあがって、額には薄っすらと汗がにじんでいる。

「……運動不足なんじゃないの?」

「八木ちゃんがアスリートすぎるんだよ」

「もうとっくに陸上はやってない」

それでも毎朝のジョギングは欠かさないので、体力には自信がある。

「マジか……」

陸上をやめても、
とんでもない体力の持ち主であることは変わらないのか……。
雅人は底なしのスタミナを持つ星良の体力に恐怖を覚えた。

「ねえ、そこの公園で少し話さないか?」

雅人はやっとの思いで息を整えると、
少し先に見つけた小さな公園を指さして言った。

繁華街の喧騒のなかにひっそりと佇む寂し気な場所だったが、
久しぶりに会った星良とこのまま別れるのが惜しくて、
少しでも同じ時間を過ごしたかった。

場所など、どこでもよかった。

「馬鹿にしないでよ」

「え……?」

矢のように鋭い星良のその言葉に、雅人は思わず眼を見開いた。
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