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私が小さな男の子を好きになった理由
第12章 やっぱりバカだ、こいつ
夫が戻ってくる間、私は封筒の手紙を読んでいた。
「今日は結婚記念日じゃなく、僕が告白した日から10年目の記念日です。」
その1行を読んで、私の胸はドクンと脈打った。
「あの日、由美ちゃんを胸キュンさせたくて、一生懸命リハーサルまでしたけど、何だか格好、悪かったよね。」
あの時の夫のサル顔と、鼻の絆創膏が思い出された。
「今日は、そのリベンジ。地面は危ないからプールにしました。見ててね、由美ちゃん。」
封筒を握りしめて見つめていた、夫のパフォーマンスを思い出すと笑えた。
足はガニ又で、飛び込むというか、水面に身体を打ちつけていた。
案の定、もどってきた身体は真っ赤に腫れていた。
クスクス笑う私を、頭を掻きながら見つめている夫が、堪らなく愛おしかった。
バカだ、こいつ・・・。
そう、思いながら悔しいほど、好きだと思った。
私は過去のおバカな男子に向かって、恨みの言葉を思い浮かべていた。
「おのれ、山田めぇ・・・。」
10年目の男子のパフォーマンスが、私には嬉しかった。
同時に、しみじみ思うのだった。
本当に、男はバカだ・・・と。
「今日は結婚記念日じゃなく、僕が告白した日から10年目の記念日です。」
その1行を読んで、私の胸はドクンと脈打った。
「あの日、由美ちゃんを胸キュンさせたくて、一生懸命リハーサルまでしたけど、何だか格好、悪かったよね。」
あの時の夫のサル顔と、鼻の絆創膏が思い出された。
「今日は、そのリベンジ。地面は危ないからプールにしました。見ててね、由美ちゃん。」
封筒を握りしめて見つめていた、夫のパフォーマンスを思い出すと笑えた。
足はガニ又で、飛び込むというか、水面に身体を打ちつけていた。
案の定、もどってきた身体は真っ赤に腫れていた。
クスクス笑う私を、頭を掻きながら見つめている夫が、堪らなく愛おしかった。
バカだ、こいつ・・・。
そう、思いながら悔しいほど、好きだと思った。
私は過去のおバカな男子に向かって、恨みの言葉を思い浮かべていた。
「おのれ、山田めぇ・・・。」
10年目の男子のパフォーマンスが、私には嬉しかった。
同時に、しみじみ思うのだった。
本当に、男はバカだ・・・と。