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雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
 28 不倫中毒

 浩司とはもう別れられない、彼からもたらされる快感はまるで麻薬と同じなのである…
 浩司セックス中毒といえるのだ…
 そしてこれが二週間冷却期間を開けて、じっくりと考えた結果、答えなのであった。

 もう別れるという選択肢は心から省いた、今後、例え、また再び奥様と再会をしても、バスケットを通して奥様と娘さんと絡んでも、そしてそれに動揺したとしても、わたしは絶対に彼とは別れない、いや、別れるという選択は絶対にしない…
 と、そう心に固く決めたのである。

 断固たる決意といえる…

 ただ、今後、これから、その奥様の存在感にかなり藻掻き、苦しみ、狂う事も判ってはいるのだ。
 だが、そんな苦しみをもってしてもこの浩司からもたらされるこのセックスの快感中毒を失いたくはないのである。

 もう、彼、浩司無しではいられない…

 浩司からもたらされる快感からは離れられない…

 それはどんな想いを持ってしても代え難い事実であると、心から判ったのであったのだ。

 そして、その為には開き直るしかないのである…

 この断固たる決意が、この後続く浩司との『不倫』という付き合いを、更に、大いに、わたしの心を燃えさせ、さらに浩司との関係の想いを深く増幅させるスパイスともなるのであった。

 だが、まだ、今夜は勿論、そんな想いまでは判らないでいるのだが、この開き直りの想いが更に今夜の快感の増幅の最初のスパイスとなったのである。

 この『不倫』という不惑の恋、恋愛、愛情の昂ぶりに更に深く快感が拍車を掛けるのであった。
 奥様の存在に心が焦れれば焦れる程に、娘、美香の中学バスケット選手として成長し、有名になればなる程に心が焦れ、そして反面、彼への恋慕の想い、抱かれるセックスの快感がますます、どんどんと昂ぶっていくのである。

 その想いからもたらされるセックスの快感の強さは、ある意味、麻薬中毒者の完全な中毒症状であり、末期症状へと向かっていく様相とでもいえたのであった…

 そして反面、不倫中毒ともいえたのかもしれない…

 だが、まだ、その当時はそんな事は考える事もなく、いや、心に余裕が無く、ただ、ただ、彼を求めて突き進んでいったのである。


 だから、今夜、そんな開き直りからもたらされる強い快感が、瞬く間に二度目の絶頂感を迎えるスパイスとなったのだ…





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